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月明かりを覆い隠してしまいそうな曇天の空。
息も荒く、何かから必死で逃げる人の様な者。
人の体に、頭から生えてる一本の角がその者が人ではない事を示している。
その者は妖怪と呼ばれる種族であり、人とは似て非なるものであった。
「……ひっ!!」
その者の直ぐ前に突き立った一本の闇色の槍。
妖怪は恐る恐る後ろを振り向いた。
暗闇の中、溶け込む様な闇色でたった一点目立つ水色の右目。
光があるのなら目立たぬ右目は光無き薄暗闇の中、それは光を帯びている様にも見えた。
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