始まり

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スラッと背が高く、カッコいい雰囲気を出してはいるけど…… 顔を良く見たら、ピアスはしてるし、眉は剃り過ぎて青くなってるし……髪なんか茶髪だ。 茶髪は確か校則違反のはずだけど……? それになんか…香水臭い…。 おそらくあの男の人の付けている香水だと思う。 まさか教室の外まで匂ってくるなんて……  だけどあの顔……どっかで… 昔、薄ら覚えている記憶の中に、あの男の人の顔…… 「確か……秀一郎先輩…」 「秀一郎…?知り合い?」 「いや、知り合いってほどじゃないんだけど……」 どうしてだろう… どこでどうやってあの秀一郎先輩を知ったのか思い出せない… …いや、そんなことより今は赤松さんだ。 見るからに秀一郎先輩は赤松さんに好意を抱いた上で話し掛けている。 そうでもないと赤松さんに話し掛けはしない。 なんとなく、あのまま赤松さんを放っておいたら危ない気がする…  「…どうでもいいけど、あの秀一郎って人、いい度胸だよな。あの赤松珠江に声掛けて。無視されて構ってもらえないのがオチだろ」  「…」 赤松さんはどんな人に、どんなことを言われようと一切表情、行動に表さない。 これは今まで見てきたのと、クラスで流れている噂でわかっている。 しかし、今赤松さんに声を掛けているのは秀一郎先輩。  なんだろう?この胸の騒めき…  
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