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「秀一郎…秀一郎…ん?秀一郎…?……思い出した!」
「ん?何か思い出したか?」
昔、ある女の子の幼なじみが秀一郎先輩に告白されたことがあった。
幼なじみは秀一郎先輩のことを振ったんだけど、少し強引に秀一郎先輩は幼なじみに接触しようとした。
僕もその現場にいたこともあって、何事もなく済んだけど……
秀一郎先輩がどんな人なのか、嫌なほどわかってしまった出来事だった。
「…ダメだ。赤松さん、秀一郎先輩から離れないと……」
「…?どうしたよ。あの秀一郎って人、なにか悪いのか?」
「…言いきれないけど、赤松さんにとって良くないことになるかもしれない……」
「なんだよそれ……根も葉もないようなこと…」
「…」
秀一郎先輩はツンツンとした雰囲気の赤松さんにお構い無しといった感じに話し掛ける。
「俺は2年の秀一郎って言うんだ。クラスの噂を聞いてキミに会いに来たんだよ?」
「…」
「その噂なんだけどね、すごいんだよ。キミのことを絶世の美人と讃えるものでね。気になってしょうがないから俺自らキミに会いに来たんだよ」
「…」
見事に赤松さんは鉄仮面ぶりを貫き通している。
秀一郎先輩も苦笑い気味だ。
「ねぇ?俺と友達になってくれないかな?キミはスゴく美人だし、俺も自慢じゃないけどかなりイケてる。すぐに仲良くなれると思うんだ」
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