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自分で自分をイケてるとか言ってるよ……
凄いナルシストだね…
しかもそれを理由にして赤松さんと仲良くなれるなんて……根拠になってないし、意味わからないし……
「ぷぷっ。イケてるとか……なに言ってんだか、あのナルシスト。腹いてぇ」
河本は横で必死に笑いを堪えている。
でもその間も秀一郎先輩は赤松さんに話し掛ける。
「ねぇ?少しはその堅い表情はやめてさ、俺の方を向いてよ。せっかく可愛い顔してるのに勿体ないよ?」
「…」
「それ、なんの本?随分と分厚い本だね。ちょっと僕にも見せてよ?」
「…っ!」
秀一郎先輩は本を無理矢理に取ろうとした。
明らかに赤松さんは嫌がってるようだけど……どうだろ?無表情だから行動だけでそう見えるけど……
すると赤松さんは本を閉じた。
「…失礼します」
席を立ち、秀一郎先輩には目もくれないまま、教室を出ようとした。
が、それは直ぐ様阻まれる。
秀一郎先輩が赤松さんの腕を掴んでいた。
「どうしてそんなにツンツンしてるんだい?俺のこと嫌い?」
「離してください」
「俺はキミと仲良くなりたいだけなんだ。少しでいいからお話ししようよ」
「離してください」
「……ねぇ?キミ、少し調子に乗ってるんじゃないか?少し可愛いからって……」
「…」
これは…酷いな。
嫌がる赤松さんに、マシンガントークを浴びせた上にこの言葉…
傷つくし、その場から立ち去りたい気持ちも大きくなるだろう。
周りの生徒たちも最早2人に釘付けだ。
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