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「な、何をしてるんですかぁ!!」
僕は半分勢いに身を任せ、秀一郎先輩に体をぶつけた。
さすがに2年生でも加速の着いた体当たりを受けて無事なはずがない。
少しよろけた後、尻餅をついた。
「くっ……なんなんだ!次は……!」
「はぁ、はあ……な、何をしてるんですか?!こんな、昼休みの教室で……」
「……キミは…確か……」
僕が秀一郎先輩を覚えていたように秀一郎先輩も僕のことを覚えていたようだ。
「……いや、今はいい……。それより、なんのつもりだい?俺は彼女とお話しをしようとしてただけなのに」
お話しをしようと…してただけ?
よくも……こんな恐がっている赤松さんを前にぬけぬけと…
「赤松さんはこんなに嫌がってます!なのにあなたは無理矢理……それに端から見てたらとてもお話しだけなんて……見えませんでした!」
僕のすぐ傍で赤松さんは小さくうずくまっていた。
少し震えているように見える。
「……キミは……またその変な正義感で俺の邪魔をするんだね……しかし、話し以外をしようとしてたとして……キミは一体何をするつもりだい?」
「……彼女は恐がって、傷ついたと思います。これ以上、彼女を傷つけるなら先生を呼びます」
先生を頼るのはこれ以上にないほど情けないことだとは思うけど、赤松さんを確実に助けられるのはこの手しかない。
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