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いつ買ってもらったかも忘れた自転車にまたがり、学校を目指す。
さびてて、おまけにどこからか変な音が聞こえる。
何年も、おまけにいつ買ってもらったか忘れるくらい使い続けて、未だに走り続けてくれる。
もし、この自転車が壊れたらどうしよ……?母さんに無理言って買ってもらうわけにもいかないし……
歩きで通学になるかな…。遅刻する日数増えるだろうな……。
考えていたら後ろからベルの音が聞こえた。
後ろには、すっかり見慣れた河本の姿があった。
「おぅ、雅司。いい朝だな」
「おはよう河本。いい朝だね」
いつも朝会うとこんな感じにやりとりする。
そして何気ない会話をやっているうちに学校に着いてしまう。
今日も河本と会話してると学校に着いてしまうんだろうな。
「…雅司、なんかいいことあったか?」
「え?どうしたの急に?」
「いや、気のせいかもしれないけど……ニヤけてるぞ…?」
「え!?」
もしかして昨日みたいになってた?!
赤松さんが出た夢が、自分が思っていた以上に嬉しかったんだろうか?
自分のニヤけ顔を気にしていると学校の門が見えてきた。
実に家から学校まで10分。案外近い場所に学校はある。
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