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昼休みということもあり、生徒は思い思いのことを好き勝手にやっている。
そんな中に彼女はいた。
友達と話すこともなく、ただ一人で淡々と本を読んでいる。
とても絵になる。
「…相変わらずクールというか孤独というか……アレには友達がいないのかね?」
「…そういえば赤松さんが誰かと話しているところ見たことないよね……」
高嶺の花…?
普段から赤松さんが出している雰囲気は誰もが近寄りがたい感じがする…
美しいのに誰も手を出さない
いや、手が届かないんだ
高嶺の花。まさにそれ。
「俺はもっと元気な女の子の方が好きだね。なんていうの?質実剛健みたいな?確かに赤松珠江は美人だけど、あんなにツンツンしてるとな……近寄りたくても近寄れねぇよ」
「……」
赤松さんはこれといった変化も見せずに本に視線を落としたまま…
周りの人たちも決して、赤松さんに……絶世の美しさをもつ花に触れようとしない…
「……あのさ。何度も聞くけど、あの鉄仮面美少女のどこがいいんだよ。お前、ルックスいいから他の女子からもモテるだろ?そんなに赤松珠江だけに執着しなくても…」
「鉄仮面なんて…そんな言い方しないでよ……」
モテるとか、そんなのは自分じゃわからない。確かに高校に入ってから何度か告白されたこともあったけど……
僕は全部断った。
赤松さんがいたから。赤松さんしか見えていなかったから…
僕はいつから赤松さんをこんなに想うようになったのだろう…?
あれは…確か入学式の時…
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