若葉の候

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教室の窓を開けると、心地よい風が頬を滑って通り抜けた。 風がピンクの花びらを数枚、運んでくる。 体育館の方から校歌が聞こえてきた。 同時に教室の静けさを全身で感じさせられる。 入学式はもう始まっている。 もとから出席する気はさらさらなかったけど。 窓側の一つの席からイスを拝借する。 腰掛け、足を延ばす。 春のあたたかい風に身をゆだねた。
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