おしごと

4/4

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
   僕の仕事はお客さんの髪を綺麗に散髪する事。君の仕事は、お客さんのお相手をする事。  まずはお客さんにご挨拶だ。ぴょんぴょん飛んでは、顔をすりよせ「撫でて撫でて」の甘えっぷり。  よしよし良い子だ、と頭を撫でれば鼻からフンフンと息を吹き出し大喜びだ。  散髪を待っているお客さんに、順番で遊んでもらってまた大喜び。  そんな君を見て、皆は口元がゆるむばかり。鏡越しにそれを見て、僕も楽しく仕事が出来るのだ。 「こんにちは、おじさん!リッキー触っていい?」 「ああ、いいよ」  学校帰りに毎日リッキーに会いに来る小学生達だ。  お帰りなさい、と顔を舐めるリッキーに「くすぐったいよ」と子供達がはしゃぐ。  夕方の5時を知らせる鐘の音が商店街に響き、子供達は、カラスと一緒に帰りましょう~と合唱しながら家路につく。  長い様で短い太陽の光が山に沈み、空には星の光。  そして僕らの一日が終わる。  image=207459489.jpg
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加