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先ほどまでの無駄に長く広い廊下とは打って変わって、襖が連なる複雑な廊下では通りかかる兎達も弾幕を仕掛けようとはしない。
あの長い廊下で攻撃が出来たのも、やはりあの空間が創られた偽りのものだったからなのだろう。
咲夜は一人足を進める。
春雪異変のときもそうだった。
お嬢様の力を借りずとも一人で異変を解決し、その力が人間外れだということは明らか。
それなのにあのお嬢様は着いていくと言ったのだ。
それが幸いしたからよかったものの、彼女はどこまで運命を操ることが、見透かすことが出来るのだろうか。
咲夜がそんなことを考えているうちに、いつしか廊下は終わりを迎えていた。
他とは明らかに違う巨大な襖は、侵入者を拒むかのように異様な雰囲気を醸しながら構えている。
この先に何かがある、それは明らかな事実だろう。
静かに襖に手をかけ、開けた。
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