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俺は常に考えている。
『アイツ』に、いかにして勝つか。
をだ。
理由は色々あるが、腹立たしいのが一番だったりする。
だいたい、昔はもっと可愛げあったぞ。
昔の純情はどうした。
純情はよー。
そんなしょうもない事をこの男『神谷律』は考えていた。
『神谷律』という男はそれは果てしないおバカだ。
更に言えば、ひ弱で、女顔で、情けない。
お前本当に主人公か?
と問いたいくらいの、駄目っぷりだったりする。
まぁ、それもご愛顧という事にしておいて欲しい。
…して下さい。
「見つけた!」
律は叫んだ。
眼はランランと輝いている。
「これで確実に勝てる!」
イェーイと右手の拳をを天に掲げ、ジャンプしている。
まるで、夕日に向かうがごとく。
…バカだ。
「あ~…誰か聞いてくれないかな~。」
一人言のようだ。
「…聞いて欲しいな~。」
可哀想な奴だ。
友達、いないのか。
「ってか聞けー!!!」
律は、ガッと『俺』を掴んだ。
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