新しい日常、新たな出会い

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放課後…… 俺は空と一緒に歩いていた 「珍しいよね!ボイドがウチを誘うなんて」 空は俺を見上げながら言った 「そうか?」 そう言ったものの、大概は空が 『女の子を一人で帰らせる気?信じらん無ーい!』 とか言って毎日俺に送らせていたが、今日は俺から空を誘った 「カバン貸せ!持ってやる」 俺はそう言うと空に手を差し出した 「え?い、いいよそんな!」 「いつもお前は、重いから持て、って言ってんだぞ」 「そ、そうだっけ?」 とぼけた顔をしていたが、俺は微笑んで空のカバンを持ってやった 「やっぱり優しいねボイド」 空はそう言って笑ってはいたがどこか悲しそうだった 「どうかしたのか?」 「星野先生がウチに謝ってきたんだ…君は合格していたが圧力を掛けられた、もう少し若ければ反発できたが今の私には無理だった許してくれって…だからウチ先生のこと許して上げた…だって先生悪くないもん」 やはり空は悲しそうだった 「あそこに座ろう」 俺は公園のベンチを指差して言った 俺も今日あったこと(悪い部分はカットして)を空に話した 「そうなんだ…」 空はだんだん暗くなっていった 「空…俺はお前の卒業待たなきゃいけないか?」 「えっ?」 空は今にも泣きそうだったけど、俺は言葉を続けた 「待つのが嫌になった…」 「ウウッ…グスッ…」 空は泣き出してその場から走りだそうとしたが、俺が腕を掴み引き止めたため空は逃げれなかった 「何よ離しなさいよ!」 「離したらお前逃げるだろうが!」 「うるさいわね!離しなさいよ!」 「いいから聞け!まだ続きがあるんだよ」 俺がそう言うと空は俺を振り向いた 逃げないと分かったから俺は空の手を離した 「いいか空!俺はお前の卒業を待つことはできない」 「さっきからなんなのよ!」 空の言葉には怒りと悲しみが入っていた 「いいから聞け!俺はお前を待たない!空、一緒に卒業するぞ!」 「え?何…言ってんの?ウチ進級できなかったんだよ?」 「察しろ!お前はそのまま過ごせばいいんだよ! 俺が留年するから」 「え………」 俺の言葉に空が言葉を失った 「本気なの?ボイド」 「ああ、本気も本気!大真面目だ!The devil doesn't tell a lie.」 (悪魔は嘘を吐かない!) ドン 俺がそう言うと体に軽い衝撃があった 「ウウッ…ウウッ…ボイドォ…」 「泣くなよ」 俺の胸の中で泣いている空の頭を撫でながらそう言った
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