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坂口ちゃんの引っ越しの段取りを家族の方達と済ませ、俺は自室に戻っていた
「やれやれ…寮長らしい仕事してるな俺も…」
コンコン…
誰かが俺の部屋をノックした
「どうぞ!」
ガチャ
「お兄ちゃん」
光がドアから顔を覗かせた
「どうした?」
「頼まれてたやつできたよ」
「入れ!」
カチャ
光を部屋に入れるとドアの鍵を閉めた
「これがそうか?」
机の上に置かれた数枚の紙を見ながら言った
「うん、一応経歴の全てをまとめてみたけど…どうかな?」
ペラッ…ペラッ…ペラッ…
俺は光の話を聞きながら、新任の高橋について事細かに書かれた書類を読んでいた
「ほーう…なるほど、光!」
「ん?何?」
俺に呼ばれて本棚をあさっていた光がこちらを向いた
「こいつ何かやらかすかもな…お前達注意しとけよ」
俺はそう言うと書類を引き出しにしまった
「ボイドが手出しちまったからな!やっかい事にならなきゃいいが…」
「ねえお兄ちゃんこれ何?」
独り言を呟いていたら光が俺を呼んだ
「なんだ?」
俺が振り向くと、そこには俺がこの前ゲーム屋で買ってきたゲームを持つ光がいた
しかもなぜか光は俺を汚い物を見るような目で見ていた
「この前買ってきたゲームだけど」
「ゲーム買うのはいいけどさ…恋愛シュミレーションはどうかと思うよ、実際…梨紅って彼女が居るじゃん」
お前はまだその目を続けるか!
「いや!それ恋愛シュミレーションじゃなくてノベルゲームなんだけど…」
「必死になるなんてキモイよ!」
バタン
光はその言葉を最後に部屋を出て行った
「なぜだああああああぁぁぁ!」
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