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九月一日始業式の朝
「行ってきます!」
「いってらっしゃい」
俺は待ち合わせがあるから、みんなよりも一足先に東寮を出た
数分後
「おはよう空!待ったか?」
空は家の近くの交差点で待っていた
「今来たとこ!行こうボイド!」
「ああ」
そう答えると俺は空と一緒に学校へと歩きだした
「ねえ、ボイド…」
「ん?どうした空?」
「ウチ…合格してるかな?」
空は不安な表情で聞いてきた
「大丈夫だよ!お前は頑張った、合格してるさ」
ワシャワシャ
俺は空の頭を撫でてやった
「ありがとうボイド!行こうか」
空はそう言って俺の手を引いて学校へと向かった
だけど俺は夏休みに太陽とした会話が脳裏をよぎっていた
そして
東二高正面玄関前
『特別進級テスト合格者
無し 』
結果は無情にも厳しく、俺と空は落胆していた
「空…」
「何?」
心なしか空の声には元気が無かった
「俺がもう少し力になれたら…」
「ううん…ボイドはたくさん力になってくれたよ、それに寮生のみんなや、舞ちゃんや梨紅ちゃん、ホナミちゃんに、メグ先輩…みんなに協力してもらった
だからさもう大丈夫だよ!ウチもう一年頑張るから!」
空はそう言って俺に笑いかけてくれた
ポン
俺は空の頭に手を置いた
「待っててやるから…俺が卒業しても、お前が卒業するまで待っててやる!
だから、心配するな!」
「…うん」
空は顔を真っ赤にさせて目に涙を貯めていた
「ごめんボイドちょっとトイレ行ってくる」
空はそう言ってトイレへと走って行った
「…タケ…居るんだろ?」
俺は近くの藪に向かって言った
ガサゴソ
「ウッス!」
藪からはタケが顔を出した
「タケ、空を影ながら守ってくれ、もし空がやばくなったら俺に速攻知らせてくれ」
「分かりました!」
タケは落ち着いてうなずいてくれた
「そういえば空って何組だっけ?」
「俺等と同じっすよ!」
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