新しい日常、新たな出会い

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図書室 「世界遺産の全ては…」 夏休みに借りられていた本を棚に戻しながら、俺は昼休みを過ごしていた 「さてと…」 昼休み終了間近俺は腕時計を見た 「ん…」 一つのテーブルにまだ読書をしている女子が居た 「そろそろ…昼休み…終わるぞ」 「………」 俺が話し掛けても女子は無反応だった トントン 失礼と思ったが、俺は女子の肩を叩いた ビクッ 女子がびっくりして俺を見た 「すまない…驚かせて…しまったか…そろそろ…昼休み…終わるぞ」 「グスッ…」 「えっ!」 俺の話し掛けた女子は目に涙を貯め鼻を啜っていた 「っ………!」 女子は顔を手で被うと声を出さずに泣き出した 「落ち着いたか?」 昼休みが終わり帰りのホームルームの時間になっていたが、龍に連絡を取り俺はまだ図書室に居た 「グスッ…グスッ…グスッ…」 コクン 女子はまだ鼻を啜っていたが軽く頷いた 「飲むか?」 俺は隣の備品室からコーヒーを注いで持ってきた コクン 女子はまた頷き俺の薦めたコーヒーを自分の下に引き寄せた ズッ… 「ッ……!」 コーヒーが苦かったらしく女子は顔をしかめていた 「すまん…苦いの…苦手だったか?」 コクン 「カフェオレで…いいか?」 コクンコクン 嬉しそうに頷いた 数分後 ズッ パァー 甘いカフェオレを飲んだ女子は満面の笑みを浮かべた 「旨いか?」 コクンコクン! 先程とは違い感情を込めて頷いた 「ところで…名前は?」 俺は嬉しそうにカフェオレを飲む女子に聞いた 「………」 一転して女子の表情は曇ってしまった 「すまない…でしゃばりすぎた…帰るとき…声を…掛けてくれ…」 トントン カウンターに戻ろうとしていた俺の肩が叩かれた 「ん?」 俺が振り向くと女子が名前を書いた紙を持っていた そこにはただ三文字の漢字が書いてあった 『火刀 鉄』
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