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「うわぁぁ、すごぃ、すごぃ!!旧型戦闘機のJ-1だ!」
アルナが瞳をキラキラと輝かせながら展示してあるそれに釘付けになる。
そんなアルナをすぐ上の兄・デュークが手招きする。
「おいアルナ、こっち来いよ。中も見れるぞ」
「えぇっ、ホント?!」
バタバタ、とアルナが走る。
「すっげぇな、めちゃカッコイイ。いつかこれに乗って、おれもロブーンと戦うんだ!」
パコーン、とアルナの頭がはたかれた。
「ってーな!すぐに人の頭叩くんじゃねーよ、ジェイ兄さん!」
キッ、と睨むアルナを下目づかいに見て、ジェイはフフン、と鼻で笑う。
「どっちにしろ、お前には無理だよ。どんなに俺達の真似したって女は女。戦場には入れないのさ」
「そんなの……そんな時だけ女扱いするなよ!おれも、父さんと一緒にロブーンと戦いたいんだ!」
瞳を潤ませたアルナを見て、兄たちが黙る。
助け舟を出したのは、父。
「そうだな、いつかアルナに助けてもらう日がくるかもな」
いたってにこやかに微笑む父に、家族の誰一人もが何も言えなくなってしまうのだった。
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