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「どぉぞぉぉ~、ただ今、J-1に試乗できる時間になっておりまぁす♪
あら、かわいいカップルさん、乗りますかぁ?」
――ここで働いてる姉ちゃん、みんなこんな感じなのか?
少し脱力しつつ、だがその魅力的な体験をしないわけもなく、アルナはうんうん、と頷いた。
「はぁ~い、お二人様ご案内~♪」
陽気なお姉さんの声にラグもたじろぎつつ、先に入っていったアルナの後に続いた。
お姉さんが中で立ち止まり、二人を振り返り、にやっと笑った。
「今ねえ、あなたたち二人しかいないから、勝手に好きなところ見て回ってくれる??お姉さん、ちょっとご用があってね♪」
とびっきりのウィンクをしながら……。
「い、いいよ。父さん達が迎えにくるから、それまでずっと中で見ててもいいのか?」
アルナの質問に、お姉さんは全開の笑顔になり、「もちろん!」とだけ言い残し、手を振りながら去っていった。
「な、何だったんだ、あの人……」
ラグの疑問に、アルナは答えられなかった。
「よっし、んじゃぁ、ラグ隊員!探検だ!!」
「ラジャー!!」
二人はすぐにさっきのお姉さんのことなど忘れ、戦闘機という未知の世界のことで頭がいっぱいだった。
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