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J-1の中は、予想以上に広かった。
……二人が7歳の子供だということを差し引いても。
それもそのはず、戦闘機J-1は乗組員20名用の中型のものなのであった。
寝室、娯楽室、シャワー室、食堂、トイレ、訓練室、そしてもちろん操縦室。
一通りのものは完璧に揃っていた。
「やっぱりカッコイイよなぁ」
操縦室の、もちろん操縦席に座ったアルナが瞳をキラキラさせている。
「オレ、絶対に『サリーン』に乗るぞ!!」
アルナに負けず、キラキラと瞳を……サリーナ人特有のグリーンの瞳を輝かせながらラグは言った。
「??『サリーン』って何だよ」
「えっ!お前知らないのか?『サリーン』は、ロブーンの船帝と対抗できる最新の巨大船帝だよ!なんと、200人乗り!!」
「それ、おれも乗りたい!!」
「アルナは無理だよ。女だし」
アルナの顔がムッとふくれる。
「船帝なら、男も女も関係ないだろ」
そんなアルナに、なぜか顔を赤くしたラグがボソボソと告げる。
「いや、オレが『サリーン』に乗れるようになったらお前も一緒に乗せてやるけどさぁ」
「え?ラグ、今何て言ったんだ?声が小さすぎて聞こえないんだけど?」
「いや、別に聞こえてなくても全然いいんだけど」
「なんだよ、気になるだろ」
不思議そうな顔をしているアルナのその金の髪をグシャッと手で触り、いたずらっ子のような笑顔。
「アルナ、誕生日おめでとう!」
「ありがと……って、髪ぐしゃぐしゃにするなよ!」
楽しい、笑顔。
「あ、ラグ!なんか娯楽室でなんかのビデオが放映されてるみたいだぞ!」
「パーゴ(ラグの父)達が来るまで、観てるか」
「だなっ」
上映されていたのは今、子供達の間で一番人気のあるサリーナの戦士達とロブーンとの戦いのアニメ、『ゴーゴー!サリーナ戦士』だったので、二人とも夢中で観ることができたのだった。
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