7歳の誕生日

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~~~☆~~~ 「なぁ、それにしても父さん達遅くないか?」  気付けば1話30分のアニメを7話も観てしまっていた。  アルナの言葉にラグも立ち上がり、 「もしかして、外で待ってるのかも」 「やばいよな、それ」  慌てて出入り口へと走る。  なぜか、開いていたはずのその扉は閉められていた。  ラグが押してみても、それは重くてピクリとも動かない。 「ラグ、力ねぇのな」  ドン、とラグを押しやって今度はアルナが扉を押す。  ……もちろん、動くはずがなかった。 「アルナ、二人でやるしかないよ」  そう言いながら、ラグも扉を押す。  ギッ、と耳障りな音を立ててほんの少しだけ扉が開いた。  微かに光が差し込んでくる。 「よし、動くぞ!もう少しだ」  ラグの言葉に、アルナももう一度必死に扉を全力で押す。 「っせーの!!」  ギギギ、と自分達が通れるくらいのスペースだったが、扉が開いた。 「ったく、あののんきな姉ちゃんはどこまで行ったんだよ」  アルナがブツブツ言いながら外へ出た。ラグも、その後に続いて外へ。  そして……。 「え?」 「あ?」  同時に、言葉を失った。
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