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たかがそんな理由‥。呆れて口が閉じなかった。
「‥阿保だろう‥、私を助けて、何になるんだ‥」
彼は紛れもなく、狼だ。
私が虫の息ならば、抵抗されても食えば、多少ながらも腹は膨れていた筈だ。
「‥顔が、冷たくて、寂しそうな顔をしてたから‥」
寂しい?
一度もそんな事を思った事は無かった。
生まれた時は一人で、生き物は全て、食料だ。
苦笑いをし、私の肩にブランケットを軽く掛けた。
「馬鹿な事を言うな‥、私は一人がいいんだ‥」
ふっと笑い、細い目をして、奴を見る。
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