二人での時間

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ふと、弱々しく瞳を開けると、寝る前と変わらず、天井は古い木材の柄だった。 (夢じゃ無かったか‥) 心無しか、安堵していた、誰か側に居てくれてるからか、それとも、ただ囲いがあるからなのかは定かでは無かった。 「目が覚めたか?」 視界に黒髪の狼男の顔が入って来た。 寝ぼけているのか、大して気にはならなかった。 「‥ああ、すまんな‥、もう出て行く、世話になった」 ゆっくり起き上がり、ベットを軽く直し、立ち上がる。 「おい、まだ身体は本調子じゃないだろう?まだ休んで居ろよ」 力強い手が、私の肩を押さえていた。 もう出て行く手前、引けなかった、引いたら負けてしまう様な気がして‥。
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