二人での時間

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「意地っ張りが‥、ふらついてて、何が取れるんだよ‥」 ぎゅっと力強く抱き締められる。 身体が暖かい、生きている証拠だ。 そう思った瞬間、無性に血が欲しくなった、獣の香りが鼻を突く。 「いっ‥、いらんと何度言ったら、分かるんだ!」 声を荒げ、必死に耐える、今は飲んでいけない‥、絶対に後悔することになる。 必ず。 「‥落ち着け、全部飲んだら困るが、少しづつ飲んでくれ‥、獣人の血が美味しいかどうかは分からないが‥、血は沢山ある」 優しく背中を擦る。 ふと、警戒心が消える。 自分でも、驚く程。 言葉が出ない、言い返してやりたいのに、言葉が逃げて行く、私の唇から。
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