【愚の骨頂に佇む骸】

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  宴か葬列か 狂い戯れる獣達 現か幻か 己が姿さえも朧に 真か偽りか 嘲笑い蔑む彼の者達 小鳥か怪鳥か 遠く鳴き声が谺する 愚の骨頂に佇む者よ 欲したもの全てを壊し尽くし 手に入らぬと嘆く者よ 屍の道の果ては何処まで それは闇に溺れる無力な骸 誰の糸に操られたか それは永久に堕ちゆく愚かな骸 解語の花に手を伸ばす 華燭か狐火か 笑い集うは蟲の群れ 刹那か永劫か 深き眠りに目覚めの鐘 愚の骨頂に佇む者よ 消し去りし想いを捜し求め 見出だせぬと喘ぐ者よ 後悔の念に気付くことなく それは天に焦がれる哀れな骸 誰の背を見つめてきたか それは暗夜の淵で彷徨う骸 太液の芙蓉はらり散る 愚の骨頂に佇む骸 呼吸を止めて 時は久しい  
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