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右大臣家では、もう三日に渡り加持祈祷が行われていた。
物の怪を調伏するため僧達は炊き上げる護摩の火の中へ芥子の実を投げ入れた。
右大臣家の子息で、まだ五つの葉(よう)は、原因不明の不治の病で苦しんでいた。
「右大臣様、これより天からのお告げをお伝えします。葉様は呪いを受けられておりまする。
今日より葉様を女子として育て、世間から男子としての葉様を断絶する事です。さすれば、元服後まで生きる事も出来、また幸福が訪れるでしょう」
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