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右大臣家の邸に馬で乗り込んできたのは一雅だった。
「これはこれは一雅様
そろそろお出でになる頃かと思っておりました」
「左近、邪魔するがいいか?」
「勿論でございます。
部屋の隅で死人みたいな顔をしてお過ごしですが、支度はしてありますので何処へでもお連れ下さって結構です」
「…君は出来た女房だな」
「一番葉様の幸せを願っているのは私ですから当然です。」
「有り難う左近」
二人目を見交わして微笑むと、一雅は真っ直ぐに葉を目指して部屋に突き進んだ。
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