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「朝霧更衣が懐妊した。」
え?
朝霧更衣といえば帝の御側室である。
側室になってから10年近く経つが、子が出来ず中宮や他の側室も子に恵まれずにいたため、弟宮である一雅が東宮として立ったのだった。
「兄上には継承者が出来た。だから私は降下する事に決めた。もとより宣下のない身でありながら東宮に立ったんだ、兄上の御子に返上するのが筋だろ?」
「…でっでも無事にお生まれになるまでは…
何かあったらその時は一雅が…」
「ああ、だから臣下に下るのは無事に出産した後になる、その後も後ろ盾として補佐役に付くだろうがな。」
「…あなたはいいの?
女性となら血を引き継ぐ事も出来るのに
私とでは何も生み出す事は出来ませんよ?」
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