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あれから5年――
月日が経つのは早いものだと庭先で遊ぶ子供を眺めながら二の姫は目を細めた。
お兄様は近衛中将になられ、今や出世頭の筆頭にいて、一雅様とも相変わらず欝陶しい程いちゃいちゃしているご様子
一雅様に横恋慕していた四の姫様は、臣下に下ったとたん興味が失せたご様子で、今は文学に目覚め、宮廷にいる名だたる才女紫式部や清少内言に対抗意識を燃やし、執筆活動に励んでいるとか…。
そして私と雅鷹様の事を話すると北の方に納まり、子宝にも恵まれました。
お兄様には内緒だけど今だから話します
実はあの日…
私達は駆け落ちをしたのではなく、宇治の別邸に旅行に行っただけなの
それもお父様のご命令で…
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