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「父様、まさかとは思いますが…
私の性別をお忘れで?」
「何を申す、忘れる訳がなかろう。我が右大臣家の大事な跡取りではないか」
「………ならばなぜ裳着なので?
元服後に男に戻すという約束では?」
問い詰めるように睨むと、困った顔をしつつその考えを変えるつもりのない事を伝えた。
「そなたにはもう暫く女でいてもらわねばならない。我が儘は許さぬ、十日後秋篠院様に腰結をしていただき裳着を執り行う。」
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