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白い小袖(こそで・肌着)を着せられ、単(ひとえ)を着せられ、あれ?と思う。
これは元服した男性が着る常服なのでは…
気が付けば直衣に冠を被った格好になっていた。
葉の髪は、元服したい目論みで、長くするのだけは嫌だと言い張りかもじ(かつら)をつけていた。その為問題なく結いあげる事が出来、元服後間もない初々しい少年という表現がピッタリの葉がそこにいた。
「おまえはその格好をしたいのだろ?」
「……そうですけど」
「別に取って食おうという訳じゃないから心配するな。少しばかり協力してもらうだけだ」
「可愛いらしい姫が、こんなに素敵な殿方になるなんて、さすが一雅様のお眼鏡にかなっただけありますわね」
二人は葉を眺めると、満足そうに頷きあった。
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