第二幕……裳着

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「左近…面白がってない?」 「おほほほ。バレました? お父上は二の姫様を東宮妃にするおつもりです。それゆえ葉様に悪い虫が着かないようにシッカリ管理するよう厳しく申し付けられております。ですから馬鹿な公達は全力で切り捨てるつもりですけど少しは楽しまなくちゃつまらないじゃないですか」 「…悪趣味だよ左近」 「姫様もあと二年は女でいなければならないのですから、男に戻った時の練習として文で手の勉強と思えばいいのですよ」 楽しそうに話す左近に同調はできないが、身の安全は守られそうなのでホッとする。 貴族の姫は、自分の寝所に男に踏み込まれたら絶対に逃げる事は出来ない。 それだけに男達は、寝所に案内させる為に女房に取り入る事に躍起になる。 好きでもない男に操を奪われ妻にされる姫も多いのだ。もちろん文を交わし、気持ちを通じさせた相手の事も多いのだが… .
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