2785人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
「光源氏はここで朧月夜を強引に部屋へ引き入れ、姫を手に入れた。
さて、私はどうしましょうか？」
恋に手慣れた中将は、こうして女性をくどき落としているんだなと妙に納得しながらも身の危険を感じる。
……ん？
そういえば今は男の格好をしているんだった、慌てる必要ないじゃん…
肝心な事を思い出し、取り合えず愛想笑いでごまかしてみた。
「聞き流すなんて酷いなぁ。私は本気なのに」
やばいかも、と俯いて返事をしないでいるとやたらと爽やかな笑顔で、
「一目惚れみたいです。
この月が出逢わせてくれたのでしょう。」
と何を考えているのか甘くかすれた声で葉を口説き始めた。
最初のコメントを投稿しよう！