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これが清明が匂わしていた身に降り懸かる出来事なのかと青くなるが、ビビっている場合ではない。綱殿を助けなければ…
「雷!」
葉は清明に借りた式の名前を叫んだ
雷は葉の肩から飛び立つと綱に助太刀する形で鬼に向かって飛んでいく
「頼んだぞ」
雷と綱は葉の目の前で妖術をかわしながら鬼に詰め寄っていった。
さすが清明の式としか言いようのない動きで鬼を追い詰め、綱が頼光から賜ったとされる名刀髭切りで鬼の腕を切り落とす事に成功する。
腕が切られ血まみれになりながらも茨木は嬉しそうに笑むと
「この太刀(たち)なら不足はない。
綱よ、その腕はそなたに預ける。必ず取り返すゆえ待っておれ」
あははははと高らかに笑うと、茨木は空に舞い上がり葉と綱の前から消えて行こうとした。
綱を見れば切り落とした腕を掴み呆然と立ち尽くし動かない。
葉は咄嗟に走り出し茨木を追い掛けた。
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