2785人が本棚に入れています
本棚に追加
「……う……よう!」
体を強く揺さぶられ、誰かに名前を呼ばれる
……ん……
目を開けると、そこには心配そうに覗き込む雅鷹と、近衛中将がいた。
「二人とも…なんで?」
確か自分は茨木童子に唇を奪われてそれから……?
状況が分からず二人に尋ねると
「阿呆!こっちが聞きたいわっ
綱殿が慌てて近衛符に援護を頼みに来て駆け付けてみればお前は倒れているし…いったいどうなっているんだ葉」
「まあまあそう熱くならないで。
朧月夜の君、我々はたまたま宿直で宮にいたから駆け付けて来た訳だが
……これはまた実に艶っぽい姿で…」
中将に言われハッと自分の格好を確かめる
冠はとれ、結わいていた髪が肩のあたりでそよいでいる。
着ている物も、前がはだけ、胸が見えそうなくらい乱れている…
げっ…と思った時にはすでに遅く雅鷹、中将ともに火を着けてしまった後だった。
最初のコメントを投稿しよう!