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「一雅…何がどうなってるんですか?」
人払いした意味が分からない葉に、一雅はため息をつく。
「茨木のやつ、相当面白がってやがる。
お前はあやかしの色を分け与えられたんだよ」
「あやかしのいろ?」
「…つまり…
人間を惑わす為の鬼の艶?色気?何て説明したらいいか分からないんだが、お前は茨木の艶を分け与えられたんだ。」
「……何の為に?」
「面白いから?かな。
出会う人間全てを魅了してしまうからな。
このままいけば一生襲われる人生が待っている」
「で…でも一雅は普通じゃないですか」
「私は陰陽道に通じている。
安倍清明は私の師でもある。
素のお前には魅了されるが妖かしの力は俺には効かない。」
「素のお前って…」
さらっと口説くような台詞をはく一雅に、自分が大変な目にあっている事も忘れ赤くなる
「私の力でその色を封じる事は出来るが、やるか?
お前にしたら苦痛や屈辱を感じるかもしれないが」
葉は少し考えて決心する
「一生襲われる生活なんて私は嫌です。
一雅にできるなら封じて下さい、私の中の鬼の色を」
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