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一雅は懐から火の玉のような物を取り出す。
「これは紫紺の珠という。私の体に取り込み力を込めてからお前の体に移すんだが…問題はやり方にある」
「やり方?」
「口移しでも構わないんだが、一番強いやり方は交わるのが一番なんだ」
「…交わるって何が?」
「……つまり、一番パワーが上がり気を高める事が出来るのが閨って事だ」
「閨?………ねやぁぁ!?」
つまりは一雅と夜を過ごすって事?
ありえない…ありえないからっ
だって俺は男だっつぅの!
「葉、気持ちは分かるが百面相をしても状況は変わらない。選択はお前に任せるが…どうする?」
「選択って…それをしなきゃ一生襲われるんだろ?
選択肢なんてないじゃんか!」
「…嫌なら清明にしてもらっても同じ効果はあるが」
「清明って…六十は過ぎてる人じゃないか
つまりは一雅以外に任せる人なんていないって事じゃん」
涙目で睨みつければ悪魔のような笑顔を向けられた
「そうだな。
なかなか頭の回転が速くて助かるよ、んじゃ観念するんだな」
一雅は有無を言わさず葉を寝具に押し倒すと、紫紺の球を飲み込んだ。
みるみるうちに瞳の色が紫に変わり、茨木よりも怖いかもしれないと身を固くする。
「怖いなら目をつぶっておけ」
そういうと、服に手をかけられ唇を奪われたのだった―――――。
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