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「綱殿、相手は妖術を使う鬼。大丈夫なのでしょうか?」
「…分からない。しかし今度こそ私の剣で決着をつける!
葉殿は私から離れないように。そなたも私同様茨木の呪縛という因縁がある。
何かあってからでは右大臣様に顔向けが出来ないからな。何より東宮様に顔向けができない…」
「…東宮様?
綱殿、それはどういう意味なのですか?」
綱の言葉に意味が分からない葉は質問をするが、綱は答える事なく峠を進んで行った。
「葉、今は鬼退治に集中しよう。先頭の陰陽師が何やら妖気を感じると騒いでいる。」
「雅鷹…そうだなすまない」
「絶対に生き残ろう
俺はまだおまえに返事を貰ってないからな」
悪戯っ子のように肩を竦めながらからかう雅鷹に、また一雅を思い出し目を伏せた。
何かが繋がりそうなのに、それが何なのか分からない…。
一雅…
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