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校舎に授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
「今日の授業はここまで」
教室に先生の声が響きわたると生徒達は騒がしくなり、下校の準備を始めた。
「聡、今日は何処に行く?」
友達の慎吾が話しかけて来た。
「そうだなぁ~?」
と言いながら聡が帰る準備をしていると
「なぁなぁ?聡?お前知ってるか」
慎吾が小さな声で聡の耳元で呟いた。
聡は慎吾の言葉で動きが止まった。
「何か面白い事でもあるのか?」
聡も慎吾に小さな声で問いかけた。
すると慎吾が顔を近づけた。
「最近、満雄の家に成来商業高校の女の子が毎日遊びに来ているらしいぜ!」
慎吾の話は初耳だったが、聡は興味がなかった。
「ちょっと、今日行ってみないか?」
慎吾がニコニコしながら聡に誘いをかけた。
「俺は別にいいよ。行きたければ慎吾一人で行ってこいよ。」
聡はニコニコしながら興味なさそうに答えたが、慎吾がしつこく誘いをかけてくる。
「何もないなら一緒に行こうぜ。どんな女の子か見てみようぜ。」
聡は興味がない為に拒んだ。
「俺は行かないよ。邪魔したら悪いよ。」
聡がそう言うと慎吾は満雄を呼んだ。
「満雄、ちょっとちょっと。」
慎吾は満雄を手招きして呼んだ。
満雄が寄ってきた。
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