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夏のセーラー服。
蒸し暑い中、自転車を押している女子高生のスカートひらひら。
蝉の鳴き声が耳に絡み付く。
急な上り坂 バス停の赤い鉄柱が体をくねる。
急斜面、夏の地獄。
登り切った頂上は絶景。
小さく見える市街地と、汗だくでゼエゼエと息を切らしながら歩く学生。
金持ちは優雅にバス通学。
正に格差社会。
バスの中から嘲笑する彼奴は、今日もママに行ってきますのキスをしてきたに違いない。
あと僅か。
あの子のスカートが焦らす。
頂上は風がある。
ラッキーな男児は登り切った褒美に中身を拝める。
時に、望まぬ褒美を得る事もある。
残念ながら今日はありつけないようだ。
夏の風、汗を冷やして穏やかに通りすがる。
帰り道の自転車、高速絶叫マシーン。
坂の終わり、信号機にご注意。
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