事の始まり

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ダダダダダダダッ!! 通学路を猛ダッシュで走る。 ギリギリに学校に着くことがあたしにとってはもう習慣化になっちゃってるんだよね…。 いつも家早く出ようと思ってるんだけどなぁ…。 校門まで あと一メートル弱。 タンッ!! あたしが校門を勢い良く踏み切った瞬間―…。 キーンコーンカーンコーン―… 学校のチャイムがナイスタイミングで鳴り響いた。 はぁ~、間に合ったぁ…。 一息ついて玄関に向かって歩き出そうとしたその時―… 「あの…。」 振り向くとそこには、この高校では初めて見るポニーテールの女の子がいた。 「?…はい?」 あたしが返答すると、彼女は少し俯きながら「職員室はどこですか?」と聞いてきた。 …あぁ、この人きっと転校生だ。 この学校広いもんね~。あたしも入学したばかり頃はよく迷ったな。 よし、あたしが案内してやろう。 「職員室まで連れて行ってあげるよ。ついてきて!」 彼女は顔をあげてあたしが走り出せば付いて来てくれた。
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