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「ここが職員室だよ!」
「ハァ、ハァ…ありが…と。」
職員室の前に着くと、転校生は息を切らせていた。
…疲れさせちゃったかな?
ガラッ!!
あたしは勢いよく職員室のドアを開ける。
「失礼しまーす。先生、転校生が来たらしいんでどなたか案内してあげて下さーい。」
するとうちの担任の村谷先生(女)が自席から立ち上がり、入口に向かってきた。
「あ!!あなたが…って菅原、あんたまたギリギリ登校してきたな??」
え…わざわざあたしの注意に入らなくても…。
「す、すみませーん。でも先生?あたしがギリギリで来なかったら、転校生をここまで連れて来れませんでしたよ。」
あたしは苦笑いしながら、抗議をする。
村谷「屁理屈ばっかり。まぁいいわ。今回のことは見逃してあげる。さ、菅原はさっさと教室に行きなさい。」
先生があまりに急かすもんだから、あたしはグイグイと押されて廊下に追い出された。
「はいはいっ、失礼しました~。」
帰り際に転校生に手を振れば彼女はにっこりして手を振り返した。
* * *
タッタッタ…
朝自習の時間、廊下は静まり返り、ドアの窓ガラスを覗けばみんな大人しく自習に取りかかっていた。
ガラッ!!教室に着き、またもや勢いよくドアを開けると、みんなが珍しくこちらを向いた。
先生も勢い良くドア開けるからなぁ。皆さん残念でした。
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