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「はぁ?おまえが宝探しに?」
話を聞いた人々が驚き、あきれ返る。
「おう!宝探しだ」
ニッと笑っている。僕はそれをなんとなく横目でみている。
「ハッ、どうせでたらめの地図さ。宝の地図なんかに目を眩ませやがって、ろくな大人になんねぇぞ」
あーあ、無駄な時間をすごしてしまった、といった感じで人々が去っていく。
「でたらめなんかじゃないさ!」
そいつらに向かってほえるように叫ぶ。
「そうかい! せいぜいがんばるこったな!」
げらげらと笑いながら、人々も言い返す。
「ちくしょう、ちくしょう! たやすく人を値踏みしやがって!」
あいつは悔しそうに地団駄を踏んだ。
「みてろよ、絶対に見つけてやるんだ……」
ひたすら悔しそうに"タカラノチズ"を握り締め、あいつはつぶやいていた。
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