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そいつがつくった船は、それはもう酷い出来栄えだった。
しかし、あいつがこつこつ地道に作りあげた、自前の船だ。
「見てみろよ! これが俺の最初の武器だ!」
うれしそうに両手を挙げて、豪快に笑った。
「ふーん。人間がんばれば一人でも船が作れるもんなんだな」
僕も変に感心してしまった。
「おうともよ! お前も一緒に探しに行くか?」
ニッと笑いながら、そいつは僕に言う。
「冗談はやめてくれよ。僕は平穏に暮らすさ」
「そうかい。まぁ、好きにするこったな」
よいしょ、と荷物を運び込みながら、あいつは答える。
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