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「企むなどとは……人聞きの悪い。全てはこの戦いに勝利するための布石ですよ。
私が提供したその右腕も調子は良さそうですし、リハビリと称しながらも易々と一個部隊を壊滅させた大佐にとっては容易いことかと……
もちろんこちらもそれに対しての協力は惜しみませんよ」
「どういうことだ?」
カストルは唇の端を吊り上げ、冷徹な笑みを深くさせる。
ラインムートですら思わず寒気立つほどの狂気。
「フォーマルハウト将軍に、私の考えを聞いていただくのです。
そうすれば必ず…………大佐にとってこれ以上ないほどの戦場を提供できるはずですよ」
カストルはラインムートの性格をよく理解していた。
この男が戦いに飢えていることを……
戦場を餌にすれば食い付かない筈が無いことを……
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