出会いと始まり

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そういうと… 「はい?今なんて言いました?」 聞こえてなかったようですね。ではもう一度。 「あなたが私に名前をつけて下さい!」 「えぇ!なんで俺に!?君の名前はないのかい?」 それを言われるつらいですね。けどあの名前は嫌ですし。思い出したくもないですし。 「あ、あのですね。その~」 なんと言ったらいいのかわかりません。 どうしましょうか。 「わかった。何があったかは知らないが訳ありみたいだね。君の名前は…」 ここから諒視点に戻します。 「君の名前は・・・翠(ミドリ)。」 ふと思いついたものを言ってみた。 「翠ですか。いい名前ですね。」 満足してくれたようだ良かった良かった。 「ところでなんであんなところで倒れていたの?」 俺は翠に聞いてみた。 「実は名家で働いていたんですけど、不況のせいかクビにされて路頭に迷って力尽きてそこで諒さまが助けてくれたのです。」 なんかベタだな…まあ信じるしかないか。 「そうなんだ。あと、なんで様づけ?」 「命の恩人ですから。」 翠は笑顔で言った。可愛い。 「あの~、一つお願いしてもいいですか?」
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