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「うわーまた王手かよ!!」
その言葉のする方向に思わず振り向くと、そこはゲームセンターだった。
「なんだゲームか…」
小学生が数人、対戦モードで誰かと戦ってる。
思えばオレもあんな時があったんだな…
小学生の時のオレは紛れもなく「天才」だった。
小学生の将棋大会では無敵だったし大人にも負けたことが無かった
プロにだってすぐになれると思ってた
…でもそれから奨励会に入って本当の強さてやつに打ちのめされたんだ…
気が付くと将棋ゲームをする小学生の真後ろで対局を見ていた。
ふと対局している子供が声をあげた。
「ダメだ、あの姉ちゃん強すぎるよ」
「え?ケンちゃんもうやめんの?」
「だってもう勝てっこないんだもん、飛車も角も取られたら無理だよ」
そう言いながら立ち去ろうとする姿が一瞬自分と被った気がした。
「ま、待って!!」
「え?」
子ども達はキョトンとした顔でこっちに振り向いた。
「…まだ勝てるよ」
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