プロローグ

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――ドクン。 ――ドクン。 心臓の音が脳内に響く。 煩いなと思いながら僕は眼を開けた。 辺りには真っ赤に染まったコンクリート。 タイヤがその赤を伸ばし、赤いタイヤの跡がコンクリートに深く付いていた。 「そういえば、僕は何を……」 頭を右手で支え状況を整理してみる。 黒い砂嵐が目の前で起こるが、そんなのは関係ない。 今は何があったのかを考えることを優先すべきだ。 確か……■■ちゃんを家で待ってて……それで…… グニャリと視界が歪む。 何かよく分からないが、何故か違和感を感じる。 「そうだ! ■■ちゃんは!?」 何故か■■ちゃんの名前が霞がかっていたように名前が思い出せなかった。 これは夢なのか……? 言っている言葉と考えている事が違う。 途中から自分が第三者視点から進んでいる感じがして、まるで自分では無いような感じ。 いったい何が起きたというのだろう。 いや、そんな事を考えいる場合ではない。 早く■■ちゃんを見つけなければ。
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