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「春人~」
ニコニコと笑みを浮かべながら俺に抱きついてくる。
男として嬉しいのだが、さすがにこの姿を見られたくない。
特に学校の連中には。
「楓、少し離れてくれ。というか、そういう事は彼氏にしてやれ」
「嫌だ!! 私には彼氏いないし、作る気は無い! でも、もし作るなら……その……は、はる! と以外居ないもん……」
顔を紅潮させ、即答する楓は凄く可愛い。
だけど、何故楓は顔を紅くするのだろうか。
まぁでもこうやって学校がある日はいつも俺を起こしに来てくれるのはありがたい。
……有難いのだが、さすがにこうして抱きつかれるのは色々と不味い。
これが学校に居る時の楓で起こしてくれると助かるのだが……。
「楓ちゃーん。春人ー。朝ごはんがあるから早く着替えて下に降りてきなさい!」
一階から母親の声が聞こえた。
ちなみに俺の家は二階建ての一軒家で、何処にでもある普通の家だ(両親には失礼だが)。
「あぁ。今から着替えて行く」
下に居る母親に向かって返事をする。
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