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「オラァッ!!」
人型になったウラノスは、背後を取った鬼の背中を蹴り飛ばす。
「……へへ、何だかんだで強度は問題無いみたいだな」
奈海はウラノスの動かし、操縦・機体の動きを再確認する為、手足を動かす。
「……今更確認しなくても…」
「念のためだよ、念のため。……さて」
ウラノスの動きを再確認した奈海が鬼の方へ振り向くと、丁度鬼が立ち上がったところだった。
「よっしゃ……行くぜッ!!」
ウラノスは鬼に接近し、格闘戦に持ち込もうと殴りつける。
「ガァァッ!!」
だが、鬼も馬鹿ではない。手に持っていた金棒でウラノスの攻撃を防ぎ、攻撃の隙を見て後退する。
「チッ!逃がすか!」
それを逃がさんと追うウラノスだが、鬼は頬を膨らまし火をウラノスに向けて吹き飛ばす。
「うわッ!火を吐きやがった!」
慌てて後退するウラノス。それを見た鬼は口元をニヤリとさせると、金棒をウラノスに向けて投げ飛ばす。
「なッッ!?」
火によって視界を遮られた奈海は、突如飛んできた金棒に気付かず、ウラノスに直撃し、威力に堪えられず地面に倒れる。
「キャッ!?」
倒され、思わず小さな悲鳴を上げた奈海。少しばかり全身に振動が残りながらも、ウラノスを立ち直らせ、鬼を見る。
鬼は小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、爪を伸ばし、ウラノスに襲いかかって来た。
「野郎……」
その笑みにイラッと来た奈海は、ウラノスの両腕にエネルギーを送る。
「私を……」
襲いかかって来た鬼の爪を左腕で防御する。
「ナメんじゃねぇぞォォォッッ!!」
青色に輝いた右腕の翼で、鬼を悲鳴を上げる間もなく、下から一刀両断する。
「……おお…」
その光景に何故か解らないが拍手する夢であった。
「ふぅ……残るは後一体か…」
「………?……おかしい…」
「へ?何が?」
「……私達の反対側に鬼じゃない反応がある…」
奈海は夢に言われてレーダーを確認すると、確かに鬼の反応では無い“何か"の反応があった。
「何だ?また違う敵か?」
「……まさか…」
その時、楓から通信が入る。
『二人共、すぐにそこから退避して!!』
突然の大声と退避命令に驚く2人。
「い、一体どうしたんだよ、司令?」
『いいから早く逃げて!!後一つは……!!』
背後に気配を感じた奈海と夢は後ろを見る。
そこには、2枚の黒い羽根を生やした漆黒の“何か"が居た。
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