25人が本棚に入れています
本棚に追加
一方、ブリーフィングルームで奈海からの通信を聞いていた楓達もその光景にポカーンとしていた。
「……えっと……どういう事?」
「とりあえず……味方……かな?」
何が何だか状況が掴めていない澪と桜。楓も澪達と同じ様子だが、心の中では更に動揺していた。
(……どういう事なの?何故ルシフェルに人が乗っているの?アレはあの堕天使にしか乗れないはずじゃ……)
心の中で有り得ない状況に戸惑っていると、夢から通信が入る。
『……こちらオケアノス。作戦本部、応答願います』
「!……こちら作戦本部。どうしたの?」
『……鬼を全て撃破。“ゲート"の反応もありません。ただ……近くでケンカしてるウラノスとルシフェルが居ますが』
「……夢ちゃん。彼は信用出来るの?」
『……はい。彼は私達と同じクラスメイトなので』
「え!?」
「クラスメイトォ!?」
あまりの事実につい顔を見合わせる澪と桜。
しかし、楓はそれに動揺せずに夢に指示を送る。
「……分かりました。では、彼をここへ誘導して頂戴」
『……了解』
夢は通信を切り、楓はふぅ~…と溜め息をつきながら椅子に腰掛けた。
(……事態は最悪な方向へなりつつありそうね…)
―――――――
そして、奈海の通信は格納庫で指示していた蒼空にも届いていた。
「……そんな……バカな……」
蒼空はショックを受けていた。だが、ショックを受けた理由は暁がルシフェルに乗っていた事だけでは無かった。
「早過ぎる……!?」
蒼空は一言そう呟き、頭を抱え込んでいた。
――――――
そんでもって未だにケンカ中の二人に場面は戻る。
「ゼェッ…ゼェッ…ゼェッ…」
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
かなり暴れ回った二機だが、バルガルトフィールドのおかげで街には全然被害が無く、何故かカスリ傷程度しか無い二機の損傷。
そんな様子を見飽きた夢はルシフェルに巨大なネットを撃ち、ルシフェルを捕縛する。
「おわッ!?」
突然のネットにより、地面に倒されるルシフェル。
「ゆ、夢ッ!何やってんだよッ!?」
夢のいきなりの捕縛活動に慌てる奈海。
「……奈海、オープンチャンネルを切って」
「え?……ああ…うん」
今更オープンチャンネルを切る奈海。
「……さっき司令からの指示で、暁君とこの機体を本部へ持って帰るから」
「いや、だからって……」
「……念の為よ」
「え?」
最初のコメントを投稿しよう!