2章

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この沈黙を破って提案したのは1班の班長の信吾だ。 「うちのクラスにさー、一人学校に来てない奴がいるだろ。あいつが学校に来れるようにするんだよ。」 「高橋のことか?」 高橋とはこのクラスの生徒だ。中学1年の冬から学校に来なくなり3年になった今でも学校を休んでいる。 「そう。あいつにさ、クラスの皆からの寄せ書きかなんかを書いてもらってあいつの家に届けるんだ。そしたらさ、あいつ学校来るかもしれないじゃん。」 「そんな単純な奴が不登校にならないだろ。」 「いいんだよ。実際高橋が学校来るようにならなくてもさ。レッドが納得すればそれでいいんだから。」 「でもさ、高橋君ってなんで学校に来なくなったの?」 「知らねーよ。お前ら高橋と小学校一緒だろ。」 「ああ。俺と隆は一緒の小学校だったけど中学にはいってからは一度もしゃべったことないからな。」 タカアキが言った。
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